平成30年度研究主題
 つながる学び 
~子どもがつながる,教師もつながる,学びの跡がつながる~

平成30年度 高浜町立和田小学校 研究計画

 平成30年度研究計画

1 研究主題

 つながる学び ~子どもがつながる,教師もつながる,学びの跡がつながる~

2 研究主題設定の理由

 21世紀は知識基盤社会であり,目まぐるしい社会の変化の中で,これからの時代を担う子どもたちには,グローバル化がより一層進んだ社会で生きていくための様々な資質・能力や,他者と協働して様々な問題を解決していく力が求められている。AIなどの技術の進歩もあり,現在の子どもたちの65%が,現在存在していない職業に就くであろうと言われている。

 それに基づき,昨年,学習指導要領が改訂され,「何を教えるか」「何を学ぶか」から「何ができるようになるか」「どのように学ぶか」という指導要領の性質の転換とともに,「主体的・対話的で深い学び」の実現を目指すことが明確になった。「主体的・対話的で深い学び」という言葉は,活発に意見を言ったり,体験的な活動をしたりするだけではなく,課題を発見したり,友達と協働しながら探究して課題を解決したり,自分の考えを再構成したりすることなど,一連の学びのプロセスを踏まえた学習への質的な転換を図る必要があることを示唆している。

 本校では,学校教育目標「自ら考え,判断し,行動する子どもの育成」に基づき,友だちに考えを伝えあったり,友だちの考えを聴き合ったり,学んだことを様々な教育活動で活用したりすることを通して,「自分の考えを持ち,互いの考えを聴き合い,学び合う子ども」を育てることを目指している。

 さて,昨年度は,「伝え合い,聴き合い,自ら学ぼうとする児童の育成」という主題のもと,これまで本校で大切にしてきた問題解決学習を基盤に,それぞれの教師が友だちの考えを伝え合ったり,聴き合ったりしながら互いに学び合っていく授業を実践してきた。また,学んだことを特別活動や委員会活動で生かし,互いに高め合っていけるように,児童の学びを支えてきた。

 教科を限定しないことにより,学級担任だけではなく,担任外の教師や養護教諭など,それぞれの立場の教員がそれぞれの持ち味を生かして研究を進めることができた。また,あいづちを打ちながら話を聴いたり,みんなの前で自信を持って発表したりすることができる児童が増え,児童の中にも協働して学びを深めていこうとする雰囲気が少しずつできてきた。昨年度の学校評価アンケートにおいても,「あなたは,自分の考えを友達に伝えたり,友達の考えを聞いたりすることができていますか」という問いに対して,95%の児童が肯定的な回答をしている。

 しかし,それと同時に,様々な課題も明らかになった。研究内容が多くなりすぎ,手法の研究に傾倒してしまったり,共有のビジョンが明確にならず,個々の教員の実践を共有することができなかったりするという課題が残った。授業の中では,教師が児童の声をつなぎ,学び合う場を創っていくことができるようになっている一方,児童同士のつながりをコーディネートすることが課題であった。特に,児童が自らの考えを友だちに向けて発表したり,ノートに自分の考えを書いたりすることはできるようになったものの,ペアやグループで1つのテーマに基づいて話を深めたり,友だちの意見を踏まえて,それに対する質問をしたりするなど,児童同士のつながりというところについて改善が必要である。さらに,児童自身が,自分が考えたことを自信を持って表現したり,友だちの意見を聴いたあとの自分の考えの変化を実感し,成長を感じることができるようにしていくことも,今後大切になってくると考えている。

 こうした課題を踏まえ,今年度は「つながる学び ~子どもがつながる,教師もつながる,学びの跡がつながる~」という研究主題を設定した。「子どもがつながる」とは,児童同士で自然に学び合える学級,学校を創っていくこと,「教師もつながる」とは,共有のビジョンを持ちつつ,それぞれの持ち味を生かし,協働しながら学び続ける教師集団を創っていくこと,「学びの跡がつながる」とは,児童一人ひとりが目標と振り返りを意識しながら,それに照らして様々なスパンで振り返りをし,自己の成長を実感することができるようにすること,という意味である。協働して学びを深めることのできる学校文化の創造をねらって,1年間の研究を以下のように行っていく。


3 研究の内容

 (1)子どもがつながるために

① 解決の必然性がある課題の工夫

 児童が主体的・意欲的に学びに向かうためには,「どうなっているのだろう」「どうして」「解決したい」という思いを持つことから始まる。いわゆる,学ぶ必然性のある課題設定が大切になる。授業の最初に「今日は○○について考えましょう」とするのではなく,児童に「あれ?」と思わせる課題の提示の仕方や課題に至るまでの資料の見せ方や問題の与え方等,多様な工夫をしながら,解決したいと思う学習課題を設定することに取り組んでいく。

② 児童が深い話し合いをするための手立てや展開の工夫

 「私は○○だと思います」「同じです」「いいです」という,発表と応答の,いわば直球的なやりとりだけではなく,自分や友だちの意見について,どこが同じなのか,あるいはどこが違うのかという比較や,共通するところはあるのかという関連付け,もしそうなったらどうなるのかという類推など,様々な思考をすることによって,自己の考えを振り返り,再構成することができるような,深い学びのある授業の創造を目指していく。子どもが話すための話やモデルの提示と活用,ホワイトボードなどの思考を可視化するツールの活用,教師の問い返しなど,それぞれの教師が持ち味を生かして,児童同士が1つの話題について意見を言い合ったり練り合ったりしながら,考えを深められる話し合いができるようにしていく。

 (2)教師がつながるために

 ① 日常的に授業を見合う

 和田小学校では,互いに授業を参観し,振り返る文化がある。「教師はまな板の上の鯉」ではなく,子どもの事実を語りながら,授業について振り返る授業研究のスタイルの中,全教師が足並みを揃えて研究を進めている。今年度は,これまで進めてきた授業参観を日常化し,授業研究の文化をさらに発展させていく。これまでの反省を生かしながら,無理がなく,気軽に取り組めるような工夫をしていく。

② 思いを書く・語る

 教師は,学び続ける専門職である。学び続けるためには,他者に語り,実践を記録し,常に振り返り続けることが大切である。まさに子どもの学びと同じである。一昨年度から,それぞれの教師が実践記録をまとめ,学びの足跡を残している。また,昨年度は,それをもとにバズ・セッションを行い,互いの実践を語り合った。今年度も,実践記録を書き,語り合うことを行い,それぞれの教師の優れた実践を共有し,互いにスキルを磨いていく。

 (3)学びの跡がつながるために

① 目標に正対した振り返り

 昨今,振り返りの重要性について言われているが,あくまでも振り返りは「反省」ではない。常に前進しつつも,実践してきたこと,学んできたことの意味は何だったのかという価値付けを行うこと,あるいは目標と照らし合わせた成果と課題は何かということを明らかにすることが振り返りだといえる。そのためには,やはり評価の軸が必要であり,それが目標となる。そこで,単に振り返りを書かせるだけでなく,常に目標に正対した振り返りをさせるようにする。

② 学びの可視化

 児童は,日々新しいことを学んでいる。それらにどういう意味があるのか,どのようにつながっているのかということを明らかにするために,学んできたことを可視化することが有効である。そこで,児童の製作物や感想文,観察記録など,学習の跡を掲示したり提示したりすることにより,学びのつながりを意識させていく。

 

4 研究方法

 (1)理論研究

① 校内全体研究会(月1~2回程度)

 講師を招聘して話を聴いたり,授業研究会を行ったりする中で,それぞれの実践を意味づけ,新たな理論を構築する。今年度は,外部講師として,ここ数年,和田小学校の授業研究に参画していただいている,福井大学教職大学院の木村優氏と,現職の教員として授業をしながら様々な研究をされている,関西学院初等部の野村真一氏を招聘し,学びを深める授業づくりと,子どもの学びを支える授業研究について研修を行っていただく予定をしている。

 ② 夏季休業中の読書

 夏季休業中に,それぞれが1冊ずつ,教育や授業に関係する書籍を1冊,自ら選択して読み,「書評」を書く。それをもとに,2学期初めにセッションを行い,見聞を広める。

③ 個人研究の実践報告とバズ・セッション(学期ごと)

 年間で個人テーマを設定し,それに向けての実践や省察を行う。学期末に学期中の実践を振り返り,語り合う中で,それぞれの教師がスキルアップを目指す。実践と省察を繰り返す中で,教師自身が自己の資質・能力の向上を自覚し,よりよい実践につなげていくことができると考える。

 (2)授業実践研究

① 校内授業研究会  
② 他校授業研究会への参加と伝達講習(適宜)  
③ 日常的な授業参観と,授業者の励みになるフィードバック

 今年度は,1学期は6月,2学期は11月と,1か月ずつ,「授業参観月間」を設ける。特別な授業ではなく,日常的な場面を参観できるようにする。また,期間中に2コマ分以上,授業を参観しに行く。(必ず1コマ全て参観ではなく,累積で2コマ分の時間,ということである)参観に行った後は,「サンキューカード」に感想を書き,授業者にフィードバックする。また,できるだけ授業研究部会や学年部会の教員の授業を互見するようにする。指導案を書いたり,研究会を設けたりはせず,気軽に見合う雰囲気作りを行う。

 

5 研究体制